主役の二人、ジョルジュ・マルロー(風色日向)とキャサリン・マクレガー(春乃さくら)の息があっていてのびやかに舞台で演じている姿は好ましかったです。102期生ペアであり、宝塚音楽学校の同級生ですからお互いによく理解し合っていたのでしょう。
カリフォルア州ロサンゼルス市のハリウッドのシーンのジョルジュ(風色日向)はいわゆる”チャラ男”なのかなと思ったら、彼はだんだん観客の印象を変えていく人物です。
そのフェーズ毎のジョルジュをよく演じることができているのは、風色日向さんがジュルジュという人物に向き合った結果なのだと思います。
十字架の前でキャサリン(春乃さくら)が歌うシーンは心に響く名場面となりました、一番印象に残っています。
ファシズムとの戦いが基本のお話なのですが、観劇していて嫌な奴はPSUCのフランシスコ・アギラール(亜音有星)、好きな女をものにするためとはいえ、怪しい注射をキャサリン(春乃さくら)に打たせるシーンはすみれコード的に大丈夫!?と心配するほど怖い。悪人を演じるのって難しいと思うのです、自分の心の闇の部分を引っ張りだすか、無ければ想像で作り出すか、本当にアギラール(亜音有星)は悪い顔しているなぁと思いました。
男役の市民兵たちが、小銃を持ってする群舞はかっこ良かったです。節目、節目が決まっていました。
平和なオリーブの木の場面が救いとなり、鑑賞後は希望や平安を感じる舞台でした。