宝塚歌劇団・宙組公演『カジノ・ロワイヤル』、S席1階11列センターブロックのチケット、カード会社の周旋で用意してもらったものです。
これまで壁側だったり2階席だったりしていたので、真正面からしっかり舞台をみることができました。
宙組トップスター真風涼帆さんと娘役トップの潤花さん、コミカルなシーンも真面目なシーンも本当に上手。
ゲオルギー・ロマノヴィッチ・ロマノフ大公(寿つかさ)は、浪費家でお調子者なのでこの人が即位したら国民が可哀そうと思う人物なのですが、まれにまともなことを息子たちに言います。その瞬間は、ロマノフ大公ではなく寿つかさ組長に戻っているようで、時間差で胸にぐっときます。
フェリックス・ライター(紫藤りゅう)はとてもとても恰好いい、拳銃を構える姿はさまになっている。ボンドをはじめ情報機関のエージェントがみんなそれっぽく見える。
例外的に芝居がかっているのがM長官(松風輝)、狂言回しを兼ねているので仕方ありませんが、どこかのシーンで現場に参戦してほしかった。「私も訓練はちゃんと受けているのだぁ!」とか言って。
歌唱指導のフィナーレの歌手(芹香斗亜)の「イルカが人を愛するように」静かに感動が広がり、お芝居のボンドとデルフィーヌを思いかえします・・・。
こうして公演がすすんでいくと、退団される方々への惜別の念はもちろんなのですが、お芝居の中の其々の人たちとのサヨナラがつらい。
ル・シッフル(芹香斗亜)、ミシェル・バロー(桜木みなと)ともお別れです。
次の演目で芹香斗亜さんに会えますが、ル・シッフルに会うことはできませんし、桜木みなとさんに会えますがミシェル・バローにもう会うことはできません。
カジノ・ロワイヤルの掃除婦(彩妃花、楓姫るる、舞こころ)や女子従業員(梨恋あやめ、花恋こまち、愛城美紗、輝珠ななせ)が最後に後片付けをしているシーンは、祭りの終わりのようでしみじみとしてきます。こういうシーンでもお一人お一人がリアリティをもってきちんと演じるのが宝塚歌劇のすごいところです。お一人お一人、舞台の上で生きていた全てのお役のみなさまとのお別れがさみしい。
いよいよ明日は千秋楽、チケットは手に入らなかったので配信で観劇する予定です。
どうぞどうぞ無事に幕があがりますように。