『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』の初日公演、無事に初日を迎えることができ本当に良かったです。
宝塚大劇場の入り口から振り向いて、初日の風景を写すと正門の上に青く晴れた空、伊丹空港の飛行機雲がのび、清々しい。
今回の演目でどうしても目を奪われるのはフランスの作家ジョルジュ・サンド(永久輝せあ)、史実でも男装の麗人であり、宝塚歌劇にうってつけの登場人物、サロンでも男装で出入りしています。
フランツ・リスト(柚香光)と愛人関係にあったそうですが、舞台でもリストとジョルジュ・サンドのラブシーンが表現されています、恰好は男同士なので視覚的には美しくも背徳的な印象を受けました。
ところが、ショパン(水美舞斗)のまつごでは黒いドレスを着て、女性に戻っています。
リスト、ショパンの双方の心を理解している共通の友人であり、時代によっては愛人であり、この鵺のような人物は舞台の上で異彩です。
「1866年・修道院での再開~巡礼の日々」のシーンは、年を経てダニエル・ステルン(星風まどか)が修道院のリスト・フェレンツを訪ね再会します。エリザベートの1シーンを思い出しました。
ショー グルーヴ『Fashionable Empire』の水美舞斗さんは凄かった!
お芝居ではショパンという控えめな役でしたが、ショーではまるで別人、特撮やCGのような動き、生身の人間があれほど動けるのかと驚きです。
このショーは2回は観ることをお勧めします。1度目は全体のショーを楽しむために、2回目はただただ水美舞斗というダンサーを追いかけるために。
また、このショーでは、専科の高翔みず希さんを見逃すまいと構えていましたが、赤いマントを羽織っていましたのですぐに見つけることができ、落ち着いて観ることができました。こういう劇団側の配慮は動体視力が衰え気味の私にはありがたいです。
パレードでは水美舞斗さんが白く神々しい大きな羽を背負って大階段を降りてきました。
特別に大きな拍手が劇場を揺らし、遠くてもその場に居合わせることができ本当に幸いです。
幕後の組長(美風舞良)の挨拶は無事に初日公演をむかえることができたことへの安堵の気持ちが表れていました、乗り越えなければならぬものが多く本当に大変だったと思います。
そして、組長のすぐ後ろのそばで見守る元組長の高翔みず希さんの目が慈しみに満ちていました。
柚香光さんの、「みなみ の はね」という独り言のようなつぶやき、たくさんの歴史や心情のこもった一言だったと思います。音楽学校時代からのお二人ですから・・・。
水美舞斗さんの目の下の玉の水滴(涙か?汗か?)を見たとき、私の双眼鏡は見えなくなりました。
大劇場のロビーのパネル、デルフィーヌ・ゲー役の星空美咲さんの写真が掲示されていました。
新人公演ではヒロインのマリー・ダグー伯爵夫人を演じます。
ライブ配信で観ることになると思いますが楽しみです。